『ADHDはメモを取るのが下手』、『自分なりにメモを取っても全然仕事を覚えられない』なんてもう言わせない!
メモを取っているだけなのに、
- 上司や先輩からは仕事熱心と評価され、
- あなたに聞けば間違いない!と同僚にも頼りにされた
実際に私が仕事を覚える時のメモの取り方・コツも詳しく紹介します。
目次
ADHDの人がメモを取れない原因と理由
ADHDの多くの人はメモが取れない、メモを取るのが苦手と言われています。
実際にADHD当事者である私もメモを取るのが遅く、自分自身にイライラする場面はたくさんありました。
どうしてADHDはメモを取れないと言われるのか原因と理由を知っておくだけで、自分に少しだけ優しくなれる気がします。
あなたがメモを取れない理由はどれに当てはまりますか?
メモを取るのが遅い
人と比べてメモを取るのが遅いと悩んでいる場合は、
- 物事をコツコツとこなして行くチカラが弱い
- 頭で考えるスピードに行動がついて行かない
といった、得意な部分と苦手な部分の差が大きいために起こっています。

こちらの画像は私のWAIS-Ⅲ(ウェイス・スリー)の検査結果なんですが、処理速度(処理のスピード)が極端に低いのがわかります。
加えて、作動記憶(ワーキングメモリー)も平均よりやや低いため
- 目で見ながら手を動かすことが苦手(項目:処理速度)
- 耳で聞きながら手を動かすことが苦手(項目:作動記憶)
つまりは、メモを取ることが遅いということに繋がります。
一度にたくさんのことを覚えられない
「これくらいなら、メモを取らなくても覚えていられる」と思ったものの、終わってみれば最初の部分がすっぽりと抜け落ちていたなんてことは無いでしょうか。

WAIS-Ⅲの検査結果で言うと、赤枠の3つの部分が関係してきます。
作動記憶の項目の中でも、
- 数唱=耳で聞いて覚えること
- 算数・語音=耳で聞いて操作する(手を動かす)
の役割があり、人によって凸凹の差は違いますが、作動記憶の数値が低い人は他の人より覚えていられる量や時間が少ないです。
意識が散漫・ボーッとしてしまう
メモをしなければならないのに、
- 注意があちこちに飛んでしまう
- 集中するのが困難
などの要因の一つに、ADHDの特性以外にも感覚過敏が影響を与えている可能性もあります。

こちらの画像は私の日本版感覚プロファイルの検査結果なのですが、どれも非常に高いと言う数値が出ました。
私の場合は日常生活を送る上で、そこまで支障は出ていないと感じますが、ADHDの人は感覚過敏の気質を多かれ少なかれ持っていると言われています。
もしかしたら感覚過敏が影響を与えているかも、と言うことも頭の隅に入れておいてもいいと思います。
【仕事の手順を覚えるメモ】メモを取るのが遅い私が実践しているメモのコツ
アルバイトでもパートでも正社員でも派遣社員でも、新しく仕事を始めたら必ず仕事を覚えなければいけません。
出来るだけ早く仕事を覚えるために、メモを取りますよね?
メモを取るのが遅いADHDの私の場合、メモを取るコツは2つあります。
- 話の内容の5割〜6割メモを取る感覚で
- 気になったことはどんなことでもメモをする
話の内容の5割〜6割メモを取る感覚で
「教えてもらったこと・言われたことは全部メモを取ろう!!」と意気込んでも、メモを取るスピードが遅いので確実に全部のメモは取れません。
何なら、次の説明に移っているのに、まだ前の話のメモを思い出しながら書いているくらいメモを取るのが遅いです。
なので最初から「説明された話の半分〜6割程度のメモを取るぞ!」と言う感覚でメモを取るようにします。
そうすると、メモが飛び飛びになってもキーワードを元に思い出すことも出来るので、後で見返して「これどう言う意味だっけ?」と言う状況を防ぐことが出来ます。
気になったことはどんなことでもメモする
メモを取りながら「これってどう言う意味?」と疑問が湧いてくることってありませんか?
その疑問をすぐに解決できれば問題ないですが、質問が出来ないタイミングだったりすると、メモを取るよりもそっちに興味が移ってしまって、うわの空で話を聞いていることも多いと思います。
そんな時は、気になった言葉・わからなかったことなど、どんなことでもすべてメモ!
え?でもさっき5〜6割のメモで良いって言ったじゃん…と思われるかもしれません。
ここで言う『気になることをメモする行為』は、全部メモしろ!と言うことではなく、気になることをメモすることで頭の中から一旦消して、次の話がきちんと頭に入ってくるようにするためのメモです。
【仕事の手順を覚えるメモ】メモ取りが遅いADHDのメモの取り方
メモを取るのが遅いADHDの私が仕事の手順を覚えるために、実際に行なっているメモの取り方のポイントは3つあります。
- メモのコツを意識しながら、メモを取りまくる
- 書きなぐったメモを見ながら、不明点に印をつけて質問できる準備をする
- 新しいメモ帳(ノート)にキレイな文字で清書し直す
メモのコツを意識しながら、メモを取りまくる
先ほど紹介した2つのメモのコツを意識しながら、メモを取ります。
メモを「キッチリ取らなければ」と自分自身を追い込むことがないように、『メモはあくまでもメモ』と言う姿勢で臨んでみてください。
『キッチリ取らなければ』には、「話の内容を全部メモしなければ!」の他にも、「メモはキレイに取らなければ!」も含みますよ。
メモ帳は誰かに見せるわけではないので、とりあえず自分が後で読み返すことが出来れば、書きなぐっていてもOK。
書きなぐったメモを見ながら、不明点に印をつけて質問できる準備をする
自宅に帰ったら、書きなぐったメモ帳を見ながらメモを取れなかった残りの4割〜5割の話の内容を思い出します。
「●●と書かれているけど、一体どう言う意味だっけ?」
「この後の工程ってどんな風にしてたっけ?」
思い出そうとしても、忘れてしまっていることってたくさんあります。
そんな時は、違う色のペンで『後で確認する』など自分でわかるようにしておいて、翌日にでも上司や先輩に不明点を確認しましょう。
もちろんその時もしっかりとメモすることをお忘れなく!
新しいメモ帳(ノート)にキレイな文字で清書し直す
不明な点もしっかりと確認出来たので、とりあえずはメモ帳を見れば仕事の手順もどうすれば良いかわかるようになりました。
でも書きなぐった文字だったり、ページが飛び飛びで内容が書かれていたりと、お世辞にもパッと見て理解して行動できるかと言えば、そうでもありません。
そんな時は、新たにメモ帳を用意して内容をまとめ直します。
メモ帳を新しく購入したり、まとめたりする手間はかかりますが、メモ帳を広げただけでひとめで内容がわかります。
何度もわからないことを聞くのは、怒られるんじゃない?
この方法でメモを取るようになると、上司・先輩に自分のわからないところ・覚えていないところをたくさん質問するようになります。
「すいませ〜ん…前に教えて頂いた●●なんですが、わからないところがあるので教えてもらえませんか?」
これを何度も繰り返していたら、逆に怒られるんじゃない?
と思う人もいるかもしれません。
今までたくさんの職場で働きましたが、嫌がる人はまったくと言って良いほどいませんでした。
逆に「そんなにメモを取って熱心ね〜」とまで言われるほど(!!)
もちろん相手の時間を割いて教えてもらっているので、
- しっかりとメモする
- それでもわからないところはそのままにしないで、その場で聞く
- 教えてもらった相手にきちんと感謝をする
以上の3つに気をつけて、質問するように心がけています。
その後は新しいことを教えてもらうたびに(メモをして覚える必要があるたびに)、
- メモのコツを意識しながら、メモを取りまくる
- 書きなぐったメモを見ながら、不明点に印をつけて質問できる準備をする
- 新しいメモ帳(ノート)にキレイな文字で清書し直す
をグルグルと繰り返します。
そうしているうちに、一旦自分の中で理解してしまえば確実に仕事をこなしていけるようになるので、「わからないことは●●さん(あなた)に聞けば間違いない!」とまで言われるくらいになりますよ。
【仕事の手順を覚えるメモ】メモした場所を忘れてしまう場合の対処法
ADHDあるあるなのかもしれませんが、メモ帳にメモしたはずなのに、どこにメモをしたか忘れてしまうことがすごく多いです。
「確かこの前、メモしたハズなんだけど…」
メモ帳を何度めくっても見つからない。
そうこうしている間に、「この前教えたばっかりだよね?」と上司や先輩の声色が徐々に変わってきて、冷や汗ダラダラ。
メモした場所がわからない…と言うことが多い人には、メモ帳にインデックス付箋をつけることをオススメます。
フィルムタイプのインデックス付箋だと、より頑丈です。
文具メーカーのインデックス付箋の方が丈夫だと思うんですが、メモ帳を何度も書き換えることが多いので、100円ショップのインデックス付箋で十分間に合います。
インデックス付箋の幅?長さ?が長いものだとたくさん重なって見づらいので、出来るだけ短めの長さのインデックス付箋だと、ひと目でパッと見つけられます。
【仕事の手順を覚えるメモ】メモを取れない場所でのメモの取り方・対処法
職種によっては、教えてもらいながらメモを取れない場合もよくあります。
メモを取らずに覚えるしかないので、作動記憶(ワーキングメモリー)が低いと実は大変な作業ですよね。
そんな時の対処法は、(メモが取れるような)トイレに行った時やお昼休憩の時に、思い出せるだけ思い出して書きなぐるに限ります。
その後は先ほど紹介したメモの取り方と同様に、不明点は質問して、新しいメモ帳に清書します。
【相手に伝えるためのメモ】ADHDの私が実践しているメモのコツ
先程までは「自分だけがわかればいいや!」でも済みましたが、こちらは相手に頼まれた情報を正確に伝えなければいけないメモです。
伝言・取次をよく行う職種とそうでない職種と色々あると思いますが、スーパーのレジからテレオペまで経験のある私が感じた、伝言メモのコツは2つあります。
聞いた内容を復唱する
やはり、コレが一番ではないでしょうか。
対面であれば間違ってメモをしていても、「ここ違うよ」と指摘してもらうこともできますが、電話だとそうはいきません。
相手の滑舌・声のボリュームなどで、声がしっかりと聞こえないことも多いんですよね。
電話を切った後、「あれ?8日(ようか)だっけ?4日(よっか)だっけ?」と一人グルグルと頭を悩ませることもしばしば。
大事な内容ほど、繰り返し確認して間違いのないようにしたいものです。
伝言メモの定位置を決める
- 事務など自分の席の定位置がある場合
- 電話での伝言・取次が多い場合
に使えるコツになります。
ADHDは机の上がごちゃごちゃしていて、「あれ?どこ行ったっけ?」と言うことも少なからずあると思います。
そんな時は電話の隣など、伝言メモの定位置をあらかじめ決めておくことで、とっさの伝言・取次も焦らずスムーズに行えます。
ADHDでもメモが取りやすくなるおすすめの便利な道具(ツール)
私も普段から使用している、ADHDの人が出来るだけメモをスムーズに取るための便利な道具を3つ紹介します。
- 方眼ドット罫ノート
- 3色ボールペン
- インデックス付箋
方眼ドット罫ノート
- 自由帳のような真っ白なノート
- 大学ノートのような罫線が均等に引かれたノート
など色々なノートを試してみましたが、方眼ドット罫ノート(点々だけのノート)が一番使いやすかったです。
大学ノート(罫線ノート)は、「この罫線の幅の中に文字を書かなければいけないんだ…」と、こう書かなきゃ!の意識が強すぎて思うように書けませんでした。
自由帳ノート(真っ白ノート)は逆に何もなさすぎて、「どこから書いていっていいのか…」本当にそれに尽きます。
2冊とも書いた後、「いや、こうじゃなかった」→ノート破って書き直しがすごく多かったんですよ。
メモ帳(方眼ドット罫ノート)を都度都度清書し直してアップグレードしていくので、手元に何冊か予備を置いておくと安心です。
胸ポケット、ズボンのポケットに入れるのであればA7サイズ、
机に置いて置けるのであればA6サイズかB6サイズがオススメです。
3色ボールペン
間違っても消せるフリクションボールペンもいいんですが、私は普通の3色ボールペンが好きですね。
今使用しているのが、ZEBURAのSurari 3Cというボールペンで、芯の太さが0.7mmというところが気に入っています。
インデックス付箋
先ほども紹介した、フィルムタイプのインデックス付箋。
メモ帳を開いて、ポケットにしまって〜と当たり前に使っていても、フィルムタイプのように耐久性がないとすぐにボロボロになっちゃうんですよ。
付箋を貼る項目が多い時は、(付箋の)色を交互に使用すると急いで調べるときに見やすいです。